学び舎 ~Manabiya~

日々驕らずに、日々学ぶ

上巻・下巻って何で別売りなの?

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あるとき書店や古本屋で、単行本の上巻と下巻が別売りされているのを見てふと疑問に思った。




上巻と下巻は基本的に同時発売されているということに、この後気づいた、、、



だとするとなおさらおかしいのでは。




ブックオフに下巻だけ探しに行く人がどれだけいるんだろうか?

ということで、この後いろいろ調べてみるも有益な情報は出てこず、、、

しかし、なぜだろうと腑に落ちなかったので調べてみると 出版業界の独特の慣習が存在することが判明。

例えば


①返品できる
本を販売する場所を提供する代わりに、余った商品は返品できる。
(預かっているという認識)
※あまりにも返品をたくさん出してしまうと、新刊の入荷数を減らされてしまったり
取り寄せを断られることがある。

②値引きできない
「再販売価格維持」と言われるもの。

③見えない賞味期限がある
速い頻度で回転しているため賞味期限が存在します。
初めのうちは入り口近くの特設ステージに置かれますが、
一定期間置いてみて、売れないと判断されると奥に追いやられるか返品されます。


このことから、恐らく上巻下巻、別売り問題は
①の返品できるから、という慣習が関係しており、販売までのデザインがされていないのだと推測。


そして、これ


なぜ上巻と下巻のランキングに差が出るかという原因を考えてみると、


①とりあえず上巻だけ買ってみて下巻は今度買うというお客さん
②上巻が読み終わったが、上巻を買った書店とは違うところで下巻を買うお客さん
③上巻を読んだが、つまらなかったので下巻は買わなかったお客さん

っていうパターンが存在します。
ちなみに実体験から言って③はあまりないと思うので、
一番多いと思うのが②。





たぶん、出版社としては最終的に売れてくれればいいやっていう考えなのかもしれないけど、
例えば
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っていう結果だったとすると、これって明らかにデメリットしか無いと思いません?

初めから上巻と下巻の仕入れ数をズラして準備する書店はないと思われるので、
必ず返品か追加で発注をしてるってことだし。



というわけで挙げてみました。

◆デメリット
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誰も得してないことが判明。


さらに掘り進めると

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ということになり、一つも良いことがないということがより鮮明になりました。


じゃあネットで買えばいいじゃん!っていう意見があるかもしれませんが、根本的にはリアルもネットも
在庫をしているという面では同じです。



そして、ここまでマイナス意見をつらつらと並べましたが、僕が言いたいのは

「こんなネガティブなことに後からお金使うことがわかっているなら、
初めから売るためポジティブな理由を見つけて売り方をデザインすれば良いのに!」

ということです。


じゃあどうすればいいのかというと、例えば

①上下巻とセットにする(初めからパッケージ化しちゃう)
②上巻を買ってくれたお客さんには期間を指定してもらい、その期間が経ったら自宅に届くサービスを作る
③一緒に買ったら〇%オフする
④一緒に買ったら付録プレゼント(しおりとかブックカバーとか)

などなど。

一番簡単なのは①じゃないですかね?
いまやセブンイレブンなんかの雑誌は立ち読み防止のカバーがついてたり、シールが貼ってあったりするので
その辺りの流通加工はそこまで大きなハードルにならないはず。




そんな中、この記事を書いている最中に、こんなものを発見。

業界全体で返品を削減する時代へ
厳しい市場が続く中、委託制度による返品の多さが問題になってきています。返品ができることで、書店は多様な出版物を扱えますが、発送や返送、その後の廃棄や在庫といった一連の活動にコストが生じてしまうためです。 現状では、書店に送品した出版物のうち、約4割が出版社へ返品されています。 出版物の売上が減少している今、出版社・取次会社・書店が一体となって、返品を減らしコストを削減することが求められています。
日本出版販売(株)HPより
https://www.nippan.co.jp/recruit/publishing_industry/current_status.html




今まさに上に書いたようなことが求められているわけです。
というわけで上巻下巻別売り問題に着手しない手はない!

消費者との設置面積が多い書店では販売の仕方をデザインする必要があると思いますが、
書店任せにしないで全体として「どうしたらお客さんが買いやすくなるのか?」ということを共に考える時期なのではないでしょうか?

今こそアップデートすべきです。

出版業界は売れない、と言われていますが、その前に当たり前とされている現在まで続いてきた慣習を見直し、売るための努力をしましょう。

それには真正面からではなく、角度を変えて物事を見ることが必要です。

今こそ「アングル」の変え時なのでは?